28.各種所得の内容

どくが君
所得って10種類もあるんだね!全部覚えるのは大変そうだな〜
先生
ここは慣れが必要だね。ここもとりあえずはこんなものか、と一見した後、実際に計算してみるのが一番の近道だ。

各種所得の計算方法

前章で出てきた4つのうちの1番目

1. 所得を10種類の所得に区分し、それぞれの所得金額を求める。

についての計算法である。

10種類の所得とは

  1. 利子所得:預貯金や公社債の利子などから生じる所得。
  2. 配当所得:株式配当金や証券投資信託の収益分配金などから生じる所得。
  3. 不動産所得:不動産、土地の貸付けなどから生じる所得。
  4. 事業所得:商業・工業・農業・漁業・サービス業など、事業から生じる所得。
  5. 給与所得:会社員やアルバイトが受け取る給料・賞与などの所得。
  6. 退職所得:退職によって受け取る退職金などの所得。
  7. 山林所得:5年を超えて所有していた山林を伐採や立木のまま売却して生じる所得。
  8. 譲渡所得:事業用の固定資産や家庭用の資産などを売却して生じる所得。
  9. 一時所得:クイズの賞金や満期保険金、満期返戻金などの所得。
  10. 雑所得:公的年金、原稿料や印税、講演料などのように、他の9種類の所得のどれにも属さない所得。

利子所得の計算

  • 利子所得 = 収入金額

課税:20.315%

配当所得の計算

  • 配当所得 = 収入金額 – 株式を取得するための負債利子

課税:20.315%(上場株式などの場合)

不動産所得の計算

  • 不動産所得 = 総収入金額 – 必要経費(- 青色申告特別控除額)

課税:総合課税

※下宿など、食事を供する場合、駐車場の貸し付けで保管責任を負うもの、従業員宿舎の家賃収入などは、事業所得 or 雑所得として換算される。

事業所得の計算

  • 事業所得 = 総収入金額 – 必要経費(- 青色申告特別控除額)

課税:総合課税

給与所得の計算

  • 給与所得 = 収入金額 – 給与所得控除額

課税:総合課税

※通勤手当や出張の旅費などは非課税。

※基本的に源泉徴収され、年末調整を行うことで確定申告は必要ないが、以下の場合は確定申告が必要。

  • 年収が2000万円超
  • 給与所得、退職所得以外の所得が20万円超
  • 複数の会社から給料を受け取っている人

退職所得の計算

  • 退職所得 = (収入金額 – 退職所得控除額) ÷ 2

課税:

  1. 退職手当などの支払者が所得税額を計算し、その退職手当などの支払いの際、正規の所得税の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要はない。(退職所得の受給に関する申告書を提出した場合)
  2. 退職手当等の支払金額の20.42%が源泉徴収されますが、退職所得の受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額の精算をする。(退職所得の受給に関する申告書を提出しなかった場合)

山林所得の計算

  • 山林所得 = 総収入金額 – 必要経費 – 特別控除額(- 青色申告特別控除額)

課税:分離課税

譲渡所得の計算

1. 土地、建物の譲渡の場合

  • 総収入金額 – (取得費 + 譲渡費用)

課税:分離課税

2. 株式などの譲渡の場合

  • 総収入金額 – (取得費 + 譲渡費用 + 負債の利子)

課税:分離課税

3. それ以外の譲渡の場合

  • 総収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額

課税:総合課税

※特別控除額は最高50万円

一時所得の計算

  • 一時所得 = 総収入金額 – 支出金額 – 特別控除額

課税:総合課税(50%を他の所得と合算する)

雑所得の計算

  • 雑所得 = 公的年金などの雑所得 + 公的年金など以外の雑所得

課税:総合課税

どくが君
うわ〜たくさん計算がでてきたな〜でもこれも慣れだね!よし、問題をいっぱい解くぞ!
先生
もう先生が教えなくてもやることがわかってきているようだね。計算を重ねるごとに、それぞれの所得の意味も明確になってくるんだよ。

必要経費の計算

売上原価の計算

売上原価とは財やサービスを生み出すために直接必要とした経費。※先入先出法、総平均法、移動平均法などもあるが、それらを選択しない場合、最終仕入原価法を用いる。

  • 売上原価 = 期首棚卸高 + 期中仕入高 – 期末棚卸高

減価償却費の計算

減価償却とは長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分するもの。※選択しなかった場合は定額法を用いる。建物の場合は定額法のみ。

定額法の場合:

  • 減価償却費 = 取得原価 × 定額法の焼却率 × (使用月数 / 12ヶ月)

定率法の場合:

  • 減価償却費 = (取得原価 – 減価償却累計額) × 定率法の焼却率 × (使用月数 / 12ヶ月)

小額減価償却資産の場合:

  • 使用期間が1年未満のもの、取得価額が10万円未満のものについては減価償却を行わず、全額必要経費とすることができる。
  • 中小企業(従業員が1000人以下)である青色申告者は、30万円未満のものについては年間合計額300万円まで必要経費とすることができる。

一括償却資産の場合:

  • 取得価額が10万円以上20万円未満のものについては一括して3年間で均等償却することができる。

給与所得控除額

給与などの収入金額 給与所得控除額
180万円以下 収入金額 × 40%
※65万円に満たない場合には65万円
180万円超 360万円以下 収入金額 × 30% + 18万円
360万円超 660万円以下 収入金額 × 20% + 54万円
660万円超 1000万円以下 収入金額 × 10% + 120万円
1000万円超 1500万円以下 収入金額 ×   5% + 170万円
1500万円超 245万円(上限)

退職所得控除額

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円 × 勤続年数
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

どくが君
控除額って細かく決められているんだね〜これは覚えるのに時間がかかりそうだよ!
先生
FPの試験では、表自体が提示されることもある。しかし、それに期待せず自分でしっかり覚えておくことが合格には必要だ。
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