54.相続財産の評価(不動産)

どくが君
今回は不動産の相続だね!ボクも今の家をもらうことになるのかな〜?きっと古くなってるから新しい家がいいよ!
先生
今までもこれからもきっと大切な思い出が詰まってるだろうから大事にしないとね。どういった方法で土地や家が評価されるかを見ていくよ。

相続財産の評価

相続税や贈与税を計算する際には、原則、時価(財産を取得したときの価格)で評価する。

土地の評価

宅地の評価方法

路線価方式

市街地にある宅地の評価方法で、宅地が面する道路ごとに設定された標準的な価格(路線価)にもとづいて、宅地の評価額を計算する方式。

一方のみが道路に面している宅地:

  • 自用地評価額 = (路線価 × 奥行価格補正率) × 土地の面積 

正面と側面が道路に面している宅地:

  • 自用地評価額 = {(正面路線価 × 奥行価格補正率) + (側方路線価 × 奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率)} × 土地の面積

正面と裏面が道路に面している宅地:

  • 自用地評価額 = {(正面路線価 × 奥行価格補正率) + (裏面路線価 × 奥行価格補正率 × 二方路線影響加算率)} × 土地の面積

倍率方式

市街地以外の路線価が定められていない郊外地などにある宅地を、固定資産税評価額に一定の倍率をかけたものを評価額として計算する方式。

宅地の分類

上記の計算は、自用地評価額の計算で、他の場合はその自用地評価額にそれぞれの割合を掛けて計算する。

自用地
  • 評価額 = 自用地評価額

借地権
  • 評価額 = 自用地評価額 × 借地権割合

貸宅地
  • 評価額 = 自用地評価額 × (1 – 借地権割合)

貸家建付地
  • 評価額 = 自用地評価額 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

小規模宅地等の特例

被相続人の居住用 or 事業用であった宅地を、相続人が居住 or 事業継続が可能なように、一定割合の評価減を受けることができる制度。

要件

被相続人、または被相続人と生計を一にする親族の、事業用または居住用の在宅であること。

建物または構築物の敷地であること。 ※駐車場などは不可。

減額割合

利用区分 減額割合 限度面積
①特定居住用宅地 80% 240平方m
②特定事業用宅地 80% 400平方m
③貸付事業用宅地 50% 200平方m
  • 減額される金額 = 宅地の評価額 × (限度面積 / 総地積) × 減額割合

①特定居住用宅地

相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地のことで、以下のいずれかが要件。

  • 被相続人の配偶者が取得した宅地であること。
  • 被相続人と同居していた親族がどの宅地を取得し、申告期限まで所有し、居住していること。 など。

②特定事業用宅地

相続開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地のことで、以下のいずれかが要件。

  • 被相続人の事業の用に供されていた宅地を、事業を承継した親族が取得し、申告期限まで所有し、事業を続けていること。
  • 被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用に供されていた宅地を、その親族が取得し、申告期限まで所有し、事業を続けている。

③貸付事業用宅地
  • 被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地を、貸付事業を承継した親族が取得し、申告期限まで所有し、貸付事業を続けていること。
  • 被相続人と生計を一にしていた親族の貸付事業の用に供されていた宅地を、その親族が取得し、申告期限まで所有し、貸付事業を続けている。

詳しくはこちら

どくが君
居住用とか事業用で使ってたものが相続税が高すぎて使えなくなったら元も子もないから、減額されるってことだね!いろいろうまく考えられているもんだね!
先生
その通り。ここらへんの条件は、全て覚えるととても細かいので、割愛してる部分があるので、リンク先にも一度くらいは目を通しておこうね。
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