6.年金と税金

どくが君
うわ〜、今回は覚えることがいっぱいありそうだ〜!こんなに覚えられるかな・・・
先生
確かに今回は量が多めだね。でも共通点なども多いから、丸暗記ではなくそれぞれの違いを確認しながら見ていくと良いだろう。一度で覚えようとはせず、何度か繰り返し読むことをオススメするよ。

老齢基礎年金

受給要件

受給資格期間(保険料納付済期間 + 保険料免除期間 + カラ期間)が25年以上の者が、65歳以上になったときに受給できる。

年金額

満額は772800円(H26)。

免除を受けた者の計算法はこちら

繰上受給と繰下受給

本来の受給開始年齢は65歳だが、60歳〜70歳の間は繰上受給と繰下受給が可能。

  • 繰上受給繰り上げた月数 × 0.5% 減額される
  • 繰下受給繰り下げた月数 × 0.7% 増額される

老齢厚生年金

受給要件

老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること。厚生年金の加入期間が1年以上

年金額

報酬比例部分 + 定額部分

  • 報酬比例部分 = (こちら) × 1.031 × 物価スライド率
  • 定額部分 = 1676円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数 × 物価スライド率

・60歳〜65歳の『特別支給の老齢厚生年金』と65歳以上からの『老齢厚生年金』がある。

-支給開始年齢は、男性より女性の方が5年遅い

60〜65 65歳〜
報酬比例部分 = 老齢厚生年金
定額部分 = 経過的加算 + 老齢基礎年金

※(経過的加算 + 老齢基礎年金 = 定額部分)となるように経過的加算で調整する。

繰上受給と繰下受給

増減額は『老齢基礎年金のそれ』と同額。

  • 繰上受給は老齢基礎年金の繰上と同時に行う。
  • 繰下受給は老齢基礎年金の繰下と別々に行うことができる。
どくが君
本来より早く払うと優遇されて、遅くなると減額されるんだね。こんなの知らないと損しそうだね!
先生
FPの知識が役立つことが実感できてきたかな。計算も多くなってきているから、練習問題なんかも解きながら進めてみよう。

加給年金

65歳以上の老齢厚生年金の受給者に、配偶者(※1)、子(※2)がいる場合に支給されるもの。

※1 65歳未満

※2 18歳になった後の3/31まで、または障害等級1,2級の20歳未満の子

受給要件

厚生年金の被保険者期間が20年以上の者に生計を維持されていること。

年金額

  • 配偶者: 224000円(生年月日により特別加算される)
  • 1人目、2人目の子は224000円3人目以降は74100円

振替加算

配偶者が65歳になると支給が停止する代わりに、配偶者の生年月日に応じた金額が、配偶者の老齢基礎年金に加算されること。

在職老齢年金

受給要件

60歳以上で労働を続け、厚生年金の加入者であること。

年金額

  • 60歳〜65歳:(賃金 + 年金)が28万円以上の場合、一定額が減額される
  • 65歳以上:(賃金 + 年金)が46万円以上の場合、超過分の1/2が減額される。ただし、老齢厚生年金の部分のみである。(老齢基礎年金は全額支給)

詳しくはこちら

どくが君
家族がいると多めに年金がもらえるってことだね。でも60歳以降も働くなら、給料がもらえる分、年金が減額される場合もあるってことか〜。
先生
一定額が決められている『水平的公平』という考え方に対して『垂直的公平』という考え方が用いられることが多いので、もし知らないならFP用語集からチェックしておこう。

障害基礎年金

受給要件

  • 初診日に国民年金の被保険者であること。
  • 障害認定日に一定の障害に該当すること。
  • 『保険料納付期間 + 保険料免除期間』が『全被保険者期間』の2/3以上あること。

年金額

  • 1級: 772800円 × 1.25 + (1人目、2人目の子は224000円。3人目以降は74100円)
  • 2級: 772800円 + (1人目、2人目の子は224000円。3人目以降は74100円)

障害厚生年金

受給要件

  • 初診日に厚生年金の被保険者であること。
  • 障害認定日に一定の障害に該当すること。
  • 『保険料納付期間 + 保険料免除期間』が『全被保険者期間』の2/3以上あること。(障害基礎年金と同じ)

年金額

  • 1級: 報酬比例部分 × 1.25 + 配偶者の加給年金額
  • 2級: 報酬比例部分 + 配偶者の加給年金額
  • 3級: 報酬比例部分

障害手当金:報酬比例部分 × 2 (一時金として支払われる)

どくが君
障害の程度によって金額が分かれているんだね。子どもの数によっても変わってくるんだね。
先生
そうだね。基本的には障害・子ども・所得によって金額が変化することを覚えておこう。

遺族基礎年金

受給要件

被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したときの『子のある配偶者』、『子(※1)』。

※1 18歳になって最初の3/31までの子。

年金額

772800円 + (1人目、2人目の子は224000円。3人目以降は74100円)

寡婦年金

受給要件

国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が死亡したときの妻

10年以上継続して婚姻関係にあり、生計維持されていた妻。

年金額

死亡した夫が受け取る予定だった金額の3/4

死亡一時金

受給要件

国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある者が、年金を受けることなく死亡したときの遺族。

年金額

保険料を納めた月数に応じて、120000円〜320000円。

寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方のみ受給可能

どくが君
ここでも子どもの数によって増額されるんだね。寡婦年金と死亡一時金ってどっちをもらう方が得するんだろう?
先生
子の加算額はここでは共通だからひとまとめにして覚えておこう。一般的には寡婦年金の方が金額的には多くなるが、いろいろな条件で変化してくる。興味があったら調べてみよう。

遺族厚生年金

受給要件

  • 厚生年金の被保険者が死亡したときの遺族。
  • 厚生年金の被保険者期間中の傷病が原因で、初診の日から5年以内に死亡したときの遺族。
  • 老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したときの遺族。
  • 1級・2級の障害厚生年金を受給できる者が死亡したときの遺族。

※遺族の詳細はこちら

年金額

老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4

加算給付

中高齢寡婦加算: 『子のない40歳〜65歳の妻』、『子のある40〜65歳で遺族基礎年金を受給できない妻』に579700円が加算。

経過的寡婦加算: 中高齢寡婦加算の打ち切りにより、自分の老齢基礎年金を受給できるようになったときに一定額が加算。

どくが君
他のに比べて受給要件が多いね。これのうち一つでも該当すれば良いんだよね?
先生
正解。ここでは、2つの加算要因もあるのでそちらもチェックしておこう。

供給調整

原則、1人は1種類の年金しか受け取れないため、それを調整する制度。

老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金
老齢厚生年金 65歳以上のみ ×
障害厚生年金 × ×
遺族厚生年金 65歳以上のみ 65歳以上のみ

年金額を調整する特例措置

物価スライド

物価の変動に応じて、年金額を調整する制度。

老齢基礎年金額 = 804200円 × 物価スライド率

マクロ経済スライド

社会情勢(現役人口の減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する制度。

※物価下落時には適用しないルールで、2004年の導入以来、一度も実施されたことがない。

どくが君
年金は1種類しかもらえないけど65歳以上だと例外がいくつかあるんだね。ボクがその年になるのはまだまだだな〜。
先生
今のうちに若い世代を満喫しようね。最後に示したように物価や社会情勢で年金は上下するので、年金額はなるべく公平になるように調整されるんだ。
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